ミシンミシンと洋裁の読みもの
ロックミシンとは?できること・3本糸と4本糸・選び方
ロックミシンは、布端を切りそろえながらかがるミシンです。普通のミシンとの役割の違い、3本糸と4本糸の使い分け、差動送り、ニットソーイングでの使い方まで。はじめての方にもわかるように。

手づくりの服と既製品を見比べたとき、いちばん差が出るのは縫い代の内側です。既製品の縫い代は、糸でくるむように細かくかがってあります。あれを縫っているのがロックミシンです。
ロックミシンは「切りながら、かがる」ミシン
ロックミシンは、針のすぐ横に小さな刃(メス)が付いています。布端を切りそろえながら、複数の糸で端をくるんでいく。裁ち端の始末を、1回縫うだけで仕上げるためのミシンです。
家庭用ミシンのジグザグ縫いでも端の始末はできます。ただ、薄い生地は縫い縮みやすく、ほつれやすい生地は糸が抜けてくることがあります。ロックミシンなら、端がまっすぐそろい、洗濯を繰り返してもほつれにくくなります。
普通のミシンとは、役割が違う
ロックミシンは、普通のミシンの代わりにはなりません。
- できないこと:布の途中を縫う、ファスナーを付ける、ボタンホールをあける
- できること:布端をかがる、ニット生地を伸びる縫い目で縫い合わせる
つまり「2台目」として使うミシンです。布帛(伸びない生地)の服なら、直線ミシンで縫い合わせて、ロックミシンで縫い代を始末する、という組み合わせになります。
3本糸と4本糸
ロックミシンの糸の本数は、縫い方によって変わります。
| 縫い方 | 使う場面 |
|---|---|
| 1本針3本糸 | 布帛の縫い代の始末。いちばんよく使う基本の縫い方 |
| 2本針4本糸 | ニット生地の縫い合わせ。丈夫で、伸びにも対応する |
Tシャツやカットソーなどニットの服は、4本糸のロックミシンだけで脇や袖を縫い合わせられます。縫い目が生地と一緒に伸びるので、着たときに糸が切れません。
「差動送り」が仕上がりを決める
ロックミシンには、布を送る歯が前後に2つあり、それぞれの送る量を変えられます。これが差動送りです。
ニット生地は、普通に縫うと波打つように伸びてしまいます。差動送りで手前の送りを多くすると、伸びを抑えて平らに仕上がります。逆に薄い生地の縫い縮みを防いだり、わざと縮めてギャザーを寄せたりもできます。
糸通しが心配な方へ
ロックミシンが敬遠される理由のひとつが、糸通しの複雑さです。下側の糸(ルーパー糸)は、ミシンの内部を通す必要があります。
最近は、空気の力でルーパー糸を通せる機種があります。糸端を差し込んでレバーを押すと、一気に通る仕組みです。糸替えのたびに取扱説明書を開かなくて済むので、色を変えるのが億劫になりません。
買う前に、まず使ってみる
ロックミシンは、家庭用ミシンほど気軽に買える価格ではありません。置き場所も必要です。年に数着しか作らないなら、必要なときだけ借りて使うのも、合理的な選択です。

Nippori Share Base に置いているロックミシンは、baby lock の Imagine wave BLE3ATWJ と Sakura BLS-5、JUKI の MO-3000 の3機種です。baby lock の2機種は、空気で糸を通すエアスルー糸通しを備えています。
半日や1日の枠で、スペースに来て使う形です。ジグザグ縫いで始末していた縫い代を一度ロックミシンでかがってみると、仕上がりの違いに驚くはずです。機種ごとの特徴は設備・道具の一覧にあります。
裾の仕上げまできれいにしたい方は、カバーステッチミシンとは?もあわせてどうぞ。

